移調が難しいピアノでアドリブするには

もくじ
1つのキーで全部の音より2音でいいから12キーでアドリブ
また今月から、1年コースの受講生さんが増えました!
つい先日、初回のレッスンを終えましたが、そこでは2音だけで、12キーアドリブすることの大切さをじっくりお伝えしましたよ。
もちろん、初回の課題もこれをやって頂いています。
初回のレッスンでは、アドリブの中核とも言えるお話を毎回していますが、今日は、そのうちの1つである音に関してお話します。
過去の記事にも沢山書いていますが、大事なことなので改めて書こうと思います。
それは、ピアニストとしてアドリブ力を鍛えるには、限定されたキーではなく、12キーで必ずアドリブをすることです。
ジャズの場合、どうしても、キーF、B♭、E♭あたりが多数曲中に出てきますが、それ以外の#キーも必ず弾くことが大事です。
例えば、キーC、Fであれば、メジャースケールの音全てを使ってアドリブ出来るという人と、各キーのメジャースケールの2音しか使えないけど、12キー全てにおいてアドリブ出来る人とでは、断然後者の方が価値が高いと私は見ています。
しかも、コードを出せなくてもいいというくらいです。
これはなぜだか分かりますか?
ピアノは移調が苦手
理由は2つ有ります。
1つは、ピアノは移調、転調が難しい楽器です。
ギターであれば、平行移動するだけで、キーが変わるようですが、ピアノの場合は、白鍵と黒鍵が逆転する程のキー移調はハードです。
なので、難しいこと、面倒くさいことは多くの人が避けたがる傾向にあります。
ということは、他の人がやらないことを、基本的なことでいいからやっていると、他の人よりも自分は頭一つ分抜きん出ることが出来ます!
すると、他の人から見たら、あのピアニストならライブを手伝ってもらえそう・・・、あのピアニストならセッションホストをお願いしようかな・・・、といったお誘いの可能性が高くなるのですね。
また、キーCで理解したことを、他のキー11パターンで試すと、アドリブとピアノへの理解が本当に出来ます。
やってみると分かりますが、キーCで出来ても、キーGでは出来ない、ということは良くあります。
12キーで試すことで、本当に理解できたり、実践も定着したりで、鍵盤とすごく仲良くなる感じです!
全体像の把握をすると12キーは必須
2つめの理由は、全体像が見ている人からすれば、12キーは絶対必要だということが分かります。
どういう意味かというと、ジャズ特有の「アウト」や「テンション」との関係があるからです。
つい先日も、オルタードスケールの定義について話しました。
https://keiko-onuki.com/2021/08/26/21-8-26/
ここらも分かるように、キラキラしたジャズらしいサウンドを入れるとなるとそれは、そのキーに無い音が瞬間的に出てくることを意味します。
例えば、キーCで弾いている途中で、一瞬キーG♭になる、というイメージです。
つまり、キーCだからCだけ分かれば弾けるわけでも無いのですね!
この関係を、裏表の関係と私は言っていますが、裏のサウンドがイメージ出来ないと、切り替えが難しくなります。
一瞬の切り替えが、ジャズらしいサウンドを演出するので、12キーが必要になります。
いかがでしたか?
12キーでアドリブ練習をする人もいるのですが、殆どの方が、その本当の目的に気づいていません。
だから、12キーでのアドリブをやっているのにも関わらず、曲中でアドリブ出来ない方が多いのです。
12キーでの練習の目的を理解して、曲に繋げるようにして下さいね。
12キーの重要性はこちらにも書いています。
https://peraichi.com/landing_pages/view/5b3i0

アドリブ初心者の為の
ジャズピアノ&アドリブコーチ
音楽と成長の研究家
HSS型HSP気質(外向的かつ内向的なので、内面の拮抗に苦しみやすい気質)で、大きな失敗、大きな成功の両方を体験。
その結果、メンタルサポートを含めた、体系化されたジャズピアノのオンラインレッスンを2016年よりスタート。
自信は、音大経験無し、ジャズ研経験無し、ピアノブランク13年、30歳でコードを知る。
その後、8年くらいジャズピアノの実態が掴めず、右往左往するが、ある日突然ひらめきが起こり、何を何からやったら、誰でもジャズピアノが弾けるのかが分かり、1日6時間くらいの練習と研究に夢中になる。
更に、なぜ自分はジャズピアノが弾けるようになったのかが、心理学や脳科学の観点で説明が出来ることが判明。
自分のやってきた体験に価値があることが分かり、内面性と楽器熟達の関係について、レッスン、YouTube、ブロブ、メルマガで語っている。
同時に、会社員を退職後、人の内面性に興味を持ち、心理学、脳科学、スピリチュアルを45人以上の講師に学び、2017年より1児の母をしながらレッスンを開始。
オンラインレッスンでもゼロベースの初心者が、1年以内にリードシートのみで、セッションに参加できる体系的なジャズピアノメソッドを提供。
そこで気付いた、人に分かりやすく共感される説明力を活かし、演奏家ではなく人材育成、教材開発、コーチングを本業とする。
現在は国内外問わず、オンラインによるレッスン、講座、セミナーを提供し、分かりやすい、簡潔、との好評を得ている。
また、幼少期の頃は、外からの刺激に敏感なHSP(Highly Sensitive Person)気質に悩みながら、言いたいことが言えない時間を過ごす。
19歳から27歳までは、ピアノを弾かない、音楽も聴かない、音楽と疎遠な生活を送っていたところ、原因不明の体調不良を発症。
後に、人は本来の自分と違った姿をしていると、病気になるということが分かり、一生音楽と関わる人生を送ると決心する。