私がジャズだけをやるのを止めた理由
もくじ
ジャズさえやっていれば音楽を制覇した気分になっていた
今日は、私がジャズピアノだけをやるのを止めた理由をお話します。
ジャズピアノを始めて、16年になりますが(2023年現在)、一時期はジャズしか聞かないくらい、ジャズだけにハマっていたことがありました。
その頃は、月6回くらいセッションのお店に出向いていました。
それでも、ちゃんとしたジャズピアノの実態が分からず、きちんと理解して弾けるようになりたいと思い、1日6時間練習していたこともあります。
当時は、ジャズピアノだけやっていれば、音楽は大丈夫!とまで思っていましたが、次第にセッションホストをやるうちに、多くの疑問や問題にぶち当るようになりました。
あるセッション店でのオーナーさんの言葉
あるお店でセッションホストやっていた時のお話です。
参加していたお客さんの一人が、歌謡曲を歌いたいと言ったので、その曲をセッションでやることになりました。
当時の私は、こういうの久しぶりだなと思ったのですが、曲調も馴染みやすかったのでなんとか無事に一曲通すことが出来ました。
ところが、そのお客さんが帰ったあとに、お店のオーナーが、こんなことを言われたのです。
「あの人、なんだか勘違いしているよね。。。」
確かに、人となりの雰囲気は、ちょっと独特な方だなとは思ったのですが、案の定選曲もジャズではありませんでした。
もし、私だったら、歌謡曲を歌えるお店を探して、そのお店に出向くかなとは思いました。
オーナーとしては、ジャズのお店として、看板を出しているのだから、ジャズで参加して欲しいという思いがあったようです。
それから私は、この一件は、ずっと心にひっかかることになりました。
一つは、私自身もジャズ以外の音楽へのリクエストを、当たり前のように対応しきれなかったことです。
ジャズ以外の曲への理解が、あやふやだっただけに、楽しみきれなかったり、しっかりサポート出来ないのでは・・・という不安があったのが本心でした。
もう一つは、オーナー側の気持ちと、お客さん側の両方の気持ちをきちんと理解したいという思いでした。
現実的には、ジャズ屋なんだから、ジャズだけ歌ってね、というのがお店の方針ですが、例外的に違う曲が入っても、サラっと対応してあげたいというホストとしての私の気持ちと、参加したお客さんに楽しんで帰ってもらいたいというところです。
そんなモヤモヤを抱えながら、ある時、私は、「全ての人のことを公平に理解したい」という気持ちがあったことに気付いたのです。
八方美人なのか、博愛主義なのか、意見の食い違いで揉めることが、本当に私は苦手なのです。
せめて、そのモヤモヤを自分の中だけでもクリアにしたいと思い、ならばジャズだけでなくいろいろなジャンルの音楽に携わることで、いろいろな人の価値観を理解出来そうだと思うようになりました。
音楽の全体像が見えて安心できるようになった
その後は、ジャズ以外のビート音楽の根源である、8ビート、シャッフル、16ビート、ボサノバ、ラテンを満遍なく学びながら、週1回は仲間とセッションをさせてもらっています。
お店での一件があってから、直ぐに、これらのジャンルを理解して出来るようになったのではありません。
私は元々、リズムが苦手で、ライブでも最初から最後まで一拍ズレたまま、それに気付かずに演奏していたこともあります。
なので、結局5年以上ビートにグルーブに関してコツコツと積み上げてきました。
ただ、ジャズではコードの基本的な知識とスキルがあったので、それは良かったと思います。
ジャズ以外の音楽をやるようになって、ジャズも音楽全体の一部となり、ジャズがどういうキャラの音楽なのか、改めて客観的に分かるようになりました。
音楽のキャラみたいなものが分かると、それを好む人の気持ちや、どうしてジャズがやりたいのか?という相手の動機も深く感じられるようになりました。
今となっては、いろいろなジャンルが楽しめるのと、以前より音楽の好き嫌いや偏りがなくなったので、安心して演奏が出来るようになっています。
ジャズをやる動機は何ですか?
今の私は、「全ての人を公平に理解したい」という動機から、オールジャンルの音楽を学ぶ流れになりました。
こちらを読んで下さっているあなたは、どうしてジャズがやりたいのでしょうか?
シンプルに楽しいのであれば、それが一番いいですね。
ただ、この先いろいろな体験を通して、もっとその先の何か面白い世界が確実にあります。
まだ、ジャズピアノは始めたばかりの方は、ジャズを通して、きっと今までになかった新しい世界や新しい自分に出会えるかもしれません。
私も今後、いろいろな痛い経験をするかもしれませんが、、、きっと一生、新しい扉を開き続けていくのだと思っています!
ジャズピアノマスターの全容はこちらでも分かります。
https://keiko-onuki.com/jazzpiano/
アドリブ初心者の為の
体系的に学べるレッスン
ジャズピアノ&アドリブコーチ
性格気質と自己表現の研究家
音大&ジャズ研未経験で、ピアノブランク13年、30歳でコードを知る。
約8年間ジャズピアノの実態が分からなかったが、ある時ヒラメキが起こり、何を何からやったら、誰でもジャズピアノが弾けるのかが分かり、1日6時間くらいピアノに夢中になる。
2016年より1児の母をしながらリアル&オンラインコーチングレッスンを開始し、ゼロベースの初心者でも、1年以内にリードシートのみで、アドリブ、セッションに参加できる体系的なメソッドを提供中。
更に、なぜ自分はアドリブが弾けるようになったのかが、心理学や脳科学の観点で説明が出来ることが分かり、楽器・アドリブの熟達法と内面性の関係について、レッスン、YouTube、ブロブ、メルマガで語っている。